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薬局向けサービスを提供するベンチャー企業で働いている薬剤師のヤクビジです。
こんな悩みを解決する記事になります。
この記事では、『薬キャリ』を運営しているm3キャリアの親会社、m3について解説します。
何を隠そう、エムスリーの株を保有していた時期があり、その時にめちゃんこ調べましたので、それなりに事業について詳しい自信があります。
ただ、細かな分析ではなく、「m3ってどんな会社なのか、概要を簡単に知りたい」人向けの内容になってます。どんな会社なのかサクッと把握できるスナック的な感じ。
ではさっそくみていきましょう!
エムスリー(m3)ってどんな会社?
インターネットを活用し、健康で楽しく長生きする人を1人でも増やし、不必要な医療コストを1円でも減らすこと。
それがエムスリーの願いであり、事業の目的でもあります。
上記がエムスリー社のミッションです。ITを活用して医療の最適化を目指してるんですね。
ちなみに、社名のエムスリーは医療(Medicine)、メディア(Media)、変容(Metamorphosis)の3つのMに由来してるそうです。
では、まずは概要を押さえていきましょー!
医療関係者に向けたサービスを提供してる優良企業
医療関係者向けのサービスを展開してる、国内でも有数の優良企業。
なぜ優良かというと、設立からずーーーっと右肩上がりで業績を伸ばしてる、恐ろしい会社です。
2019年の夏には、日経225(日経平均株価)の銘柄に加えられた。これは、2000年以降に生まれた会社の中では初の採用。
東証一部に上場している企業のうち、取引が活発で流動性の高い225銘柄のこと。業種のバランスなども見ながら、定期的に見直される。
ざっくりいうと、日本を代表する225社の株価を平均した値ですね!
日本の代表的な会社として選ばれるほど業績が良いと評価されてるんですね。ちなみに、最近の売り上げなどの業績はこんな感じになっています。
「FY2022」が2022年度(一番最新の決算情報)の数字は以下の通り。
- 売上高:2,308億円
- 営業利益:720億円
- 純利益:520億円
世界で600万人以上の医師が登録
エムスリーは日本だけでなく、米国、韓国、英国、中国、インド、フランス、ドイツ、スペイン、北欧の計10カ国で事業展開している。
医師向けのサービスがメインなんだが、全世界の登録医師数は600万人超え。
全世界の医師の数が1,200万人いるそうで、全世界の医者の半分が登録している計算になる。地球上の医者のうち、2人に1人が登録しているサービスと考えると、その網羅率は半端ない。
また、国内だけに絞ると30万人の医師が登録していて、日本の全医師数(約33万人)の92%を占めている。
全体の9割以上がユーザー登録してるサービスって、身近な他のサービスで思い浮かばないですね。。
薬剤師は17万人が登録
エムスリーに登録されている薬剤師数は、17万人以上とのこと。
日本の全薬剤師数は約32万人なので、53%が登録している計算になりますね。薬剤師の2人に1人が登録してるという、薬剤師に関してもなかなかのカバー率です。
医者の9割、薬剤師の5割が登録してるわけですね。
薬剤師向けの勉強コンテンツを発信
薬剤師向けに、薬の情報から薬局業界のニュース、行政情報まで幅広く発信している。
様々な医療従事者向けのサービスを抱えるだけあって、深い業界動向の勉強に適した情報がまとめられている。
薬剤師向けだと例えば以下。
①行政情報
→診療報酬改定の情報や、薬機法の改正事項とか、医療にまつわる国の今後の方針、とかとか。
経営者、管理者はもちろん、薬局で働くなら必須の知識。
②新薬や最新の臨床情報
→国内外の臨床研究のデータや、新規収載される医薬品データなどに関し、コンパクトに要点がまとめられている。
これは毎日の服薬指導に直結する知識ですね。 あと、医師と話す機会がある立場にいるなら、疾病・薬の知識レベルを合わせないと話にならないので、医療情報のアップデートにはアンテナを立てておかなきゃですよね。
③薬局コラム(掲示板)
→薬局薬剤師が、「うちの薬局ではこんなことしてますよ」とか、「●●のケースにどう対応したら良い!?アドバイスくれー!」など、活発にやり取りしてる。
気になりません?他の薬局はどんな運用をしているのか。あるある話とかもあり、地味に面白いから息抜きになる。
閲覧には登録が必要で少し面倒だけど、日々のログインやサイト内のコンテンツを見ると『m3ポイント』なるものが貯まり、『Amazonギフト』と交換できる。
また、登録キャンペーンで服薬指導に使える本のプレセントもやってたりと、いろいろ大盤振る舞い。
情報収集しながらお小遣い稼ぎできるので一石二鳥。
登録して損はないというか、使わないのはもったいないレベルだと思うので、登録作業は1分で終わるから、この機会の登録をオススメします。
m3って具体的に何をしてる会社なの?
次はサービスに関してもう少し深掘りします。
エムスリーは医療とITを掛け合わせ、「医療」分野に対して様々な事業を展開している。国内外を合わせると子会社が50社弱あります。
たくさんのグループ企業を持つエムスリーは、以下の6通りに事業内容を分類している。
- メディカルプラットフォーム(売上:930億円)
- エビデンスソリューション(売上:272億円)
- キャリアソリューション(売上:145億円)
- サイトソリューション(売上:353億円)
- エマージング事業群(売上:33億円
- 海外事業(売上:621億円)
・・・ぶっちゃけ、文字を見ただけでは何のことを言ってるか分からないですよね(汗
どんなサービスなのか、それぞれ嚙み砕いて解説していきます。
メディカルプラットフォームは「ネット版MR」
エムスリーは、「MR君」というネット版MRサービスである『eディテール事業』からスタートしました。
eディテール、あまり聞き慣れない単語ですよね。ディテールというのは製薬業界用語で、MRが医師に医薬品を説明することを意味する。
そこにインターネットを表す『e』がついてるので、『eディテール=インターネットのMR』という解釈です。
MRのように、医師への情報提供であったり製薬企業のマーケティングや調査などを行い、収益をあげているんですね。
医師に対するMR的な活動の他に、製薬企業のような医療系の企業にもサービス提供してます。
具体的にどんなサービスかというと、web サイトのコンテンツを作ったり、web講演会を開催したり、コンサルタント的なことをしてます。
決算資料を探しまくったところによると、2020年1月時点で約70社の企業(主に製薬会社)がエムスリーを利用してるそうです。
以上すべてを『メディカルプラットフォーム』として一括りにしている。
とても仕事のできるMRのネット版っていうイメージですね。
エビデンスソリューションは「治験」
エビデンスソリューションは、CRO・SMOといった治験に関する事業のこと。サービス名は「治験君」。
行うことはシンプルで、CRO・SMOのネット版。治験に必要なデータの取得と、治験参加希望の病院を探すこと。
エムスリーの治験事業の強みは以下。
- 医師の登録数が多いので、治験に参加したい病院・医師を探すのが効率的。
- ITを駆使して、治験期間を短縮。
たくさん保有してる医療機関のデータを使いつつ、効率的な治験を提供してるんですね。
MR君とか治験君とか、サービスに「君」づけするの好きですね〜
キャリアソリューションは「人材サービス」
キャリアソリューションとは、医療従事者向けの人材サービスのこと。転職や人材仲介、派遣業などですね。
薬剤師の転職「薬キャリ」も、この領域のサービス。
転職関連以外では、医師・薬剤師のキャリア形成に役立つ情報サイトや、クリニック経営のコンサルティングなども、キャリアソリューションに含めているようです。
キャリアソリューションは、他の単語に比べるとまだ想像しやすい。。。
サイトソリューションは「医療機関のコンサル」
サイトソリューションとは、医療機関の運営サポートや経営支援をする事業になります。
診療所を新規で開業するときの物件を探したり、医療機器の導入支援、経営コンサルティング業務が主となる。
医療機関以外に、訪問介護やホスピス運営、病院給食の患者向けサービスなども提供しています。
「サイトソリューション」は2019年度の決算資料から登場しました。元々はエマージング事業に含まれていたよ!
エマージング事業郡は新規事業をまとめた呼称
エマージングとは「発展段階」という意味で、m3を担う次世代の事業たちのことです。
いろんな新規事業にチャレンジし、どれが伸びるのか検証を重ねているんですね。どんなものがあるかというと、例えば以下。
- 電子カルテ
- AIの開発・開発支援
- リハビリ系サービス
- 新薬や新しい治療法の開発支援
電子カルテの事業はけっこう大きくなっていて、利用してる医療機関も増えてきている。クラウド型の電カルでは、市場シェアのNo1を獲得しているそうです。
最初は緊急事態(エマージェンシー)のほうを思い浮かべたので、まったく何のことか想像つかなかったです。
海外事業は名前のとおり「海外の事業」
あえて説明するまでも無さそうですが、、海外事業とは読んで字のごとしです。
先ほどまで解説してきたメディカルプラットフォーム、エビデンスソリューション、キャリアソリューション、サイトソリューションの4事業を、海外向けに提供している。
エムスリーの登録医師数は、全世界の医者の約半数という優位性をもって、海外もどんどん攻略していってるんですね。
海外事業についても、あまり情報が開示されていなく、詳細は読み取れずでした。。。
まとめ
最後にエムスリーの特徴をざっくりとまとめます。
- 医療関係者向けのサービスを提供。
- 医師の登録数が全世界で600万人。日本では9割の医者・5割の薬剤師が登録。
- 子会社が50社。6つの事業で展開。
以上、エムスリーの概要について、ぜひ参考にしてみてください!
また、薬剤師の方は勉強にめちゃ便利なので、ぜひ活用してみてください!